効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

EUの再生可能エネルギー

再生可能エネルギー関連の情報が幾つも入ってくる中に、EUは2020年に全エネルギー消費量の20%を再生可能エネルギーで賄うという目標を凌駕するだろうというのが入ってきた。欧州風力発電協会が発表した資料だ。EU加盟27カ国全てについて数字を出している。2020年には風力からのエネルギーが総消費量の14%を占め、2009年には4.2%だったものから極めて大きくなっている。アイルランドがその中ではもっとも風力の占める比率が高く、36.4%。デンマークがそれに続いて31%となっている。目標を達していないのはイタリアとルクセンブルグだけで、他は全てOK. EUの電力の34%を再生可能エネルギーでまかなうことになっているが、その内風力が14%、10.5%が水力、バイオマスが6.6%、太陽光発電が2.4%、などとなっている。
これだけ風力発電が入っても送電系統の安定性は大丈夫というには、スマートグリッドの導入が想定されているからだろう。現在でも日本などよりはるかに多い風力発電が導入されているのに、大規模蓄電池などを使うことなく系統の管理が行われ、少なくとも大停電は起きていない。周波数案程度とか電圧変動などといった電力品質については分からないが、産業から文句が出てはいないから十分な制御が行われているのだろう。それは、需要変動や風力の出力変動への対応を広域で行っているから可能になっていると言える。これは今の日本の送電網から見ると、電力会社間の接続容量が小さいから不可能に近い。だから偏在しない太陽を使う太陽電池の普及に日本では力が入っているのだ。しかし、地球環境への対応を考えたときに、僅かの風力発電しか導入しない日本は、電力系統について十分な対応努力をしたと国際的に胸を張れるだろうか。すぐに原発で対応すると言うが、建設時間が極めて短い風力をもっと入れられるように投資をすべきではないだろうか。