日本は早く米国からLNGを輸入したいと考えているが、それが思い通りにならない可能性もある。今日見た資料によると、米国の環境省(EPA)が、連邦エネルギー規制委員会(FERC)に対して、LNG輸出を急ごうとする最近の動きに待ったをかけようとしているらしい。今年で3回目になるそうだが、テキサス州のEPA事務局が、LNGの開発と増大する天然ガス需要の結果、地球温暖化ガスが増大するという広い視点を持つようにFERCへ要請したそうだ。FERCはCameronプロジェクトを6月に認可したが、EPAはその後2回同趣旨の要請をし、Freeport IIの第2フェーズとCorpus Cristiの輸出基地についても同じ姿勢を示している。そして、FERCの地球温暖化対応の姿勢が消極的だと批判しているとのこと。このEPAの方針は,天然ガス輸出に反対しているグループに勢いを与えることにもなっている。DOEも輸出承認には、天然ガス輸出が世界の地球温暖化にどのような影響を与えるかを検討することを必須条件とするようにもなったようだから、この期間だけでもプロジェクトは遅れることとなる。日本のように米国と自由貿易協定を結んでいない国へのLNG輸出は認可されたものの、結果として日本が望むような早期輸入が実現するかどうかは分からないかもしれない。現時点でこの条件がついたLNG輸出申請は26件あるようで、これまでに8件が承認されただけに止まっている。これからの動きを注視する必要があるだろう。