効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

英国の国際連系線

供給力不足が懸念される英国では、電力市場改革(EMR)の中で安定供給の手法が模索されている。その一つとして国際連系線の強化が重要な位置づけになりつつある。現在、ナショナルグリッドの子会社NGILが動かす国際連系線は、(1)フランスRTE社との協定に基づくIFA(70キロメートル、2000メガワット、1986年運開)、(2)オランダ・テネット社との共同出資会社ブリットネッド(260キロメートル、1000メガワット、2011年運開)。更に、アイルランド・エアグリッド社の管轄下にあるイースト・ウェスト連系線(260キロメートル、500メガワット、2012年運開)と北アイルランドの連系線を加えると、合計で4ギガワットとなるが、これは発電設備能力の約5%に相当する。これを倍増する計画が進行中で、(1)英国―ベルギー(150キロメートル、1000メガワット、2019年)、(2)英国―ノルウェー(750キロメートル、1400メガワット、2020年)、(3)英国―フランス(230キロメートル、1000メガワット、2020年)、(4)英国―デンマーク(600キロメートル、1400メガワット、2013年に協定書調印済み)。その他、再生可能エネルギーの輸入を目的に、アイルランドアイスランドとつなぐ構想もある。国際連系線を強化しておけば、欧州全体で電源の多様化が促進されるとともに、自然変動電源から生じる問題の解消も容易になる。(電気新聞の情報による)
日本の場合、国内だけに当分は止まるが、東西の連系線を強化するのを迅速化すると同時に、将来の国際連系線についてもその可能性を検討する時期に入っているのではないかと思う。政治関係が欧州とは異なることは確かだが、この政治関係は常に流動的であって、その動向に国際連系線がプラスの効果を生み出すこともできるのではないだろうか。