効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

液体電池

昨日大前研一氏への批判的な日記を書いたのに対して2つのコメントをいただいた。水素の危険性については、同感。もう一つの液体電池はどうか、というコメントには、自分の考えを述べてみたい。コメントは電気自動車用のものを考えておられるようだが、コメントに付されたURLで見る限り、水溶液の素材が公開されていないので、本当に実用化するのかというのが実感。
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1407/25/news041.html これまでの水溶液(水だけではない)蓄電池は、五酸化バナジウムの水溶液を使ったもので、レドックスフローバッテリーと言われるものだ。前にもこの日記で書いたことがあるが、日本では住友電工が製造して、いま北海道で風力発電の変動を吸収する実証試験をしている。だが、この方式はリチウムイオン蓄電池に比べて蓄電密度が低いために大型にならざるを得ず、水溶液であるために重量と体積が大きくて、電気自動車用には無理とされてきた。この問題を解決できたとすれば、大革命になる。ただ、水を注入すれば良いのではなく、何かの素材の水溶液、それもイオン価が異なる二種類の水溶液を入れなければならないだろう。充電はそのままで可能。自動車に使うとすれば、動揺に強くし、重量を少なくできるような開発ができなければならない。電気自動車用よりも、送配電系統の変動を抑制する大型蓄電池としては,世界的に注目され始めている。設置面積は大きくなるが、常温常圧で作動し、リチウム電池やNAS電池のような発火の危険性もなく、性能は二つの溶液を分ける電解質膜に左右されるので、燃料電池技術の成果が利用できる。コメントのように自動車の推進エネルギーとなるかどうかは、もう少し情報を開示して貰わないと判断できない。フローバッテリーはWikipediaにも出ているので参照してほしい。住友電工のウエブからも情報は得られる。