効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

安倍首相の資源外交

最近の歴代首相としては驚くほどの回数で各国を訪問しているが、そのかなりの部分が資源の確保、あるいは技術輸出に関わるもののようだ。7月上旬に訪問したオセアニアに続き、歴訪中の中南米でも各国で石油、天然ガス、銅などの開発や供給で協力を働きかけ、世界的な資源の獲得競争に対応するとともに、中東情勢の悪化などでエネルギーの確保や海上輸送が脅かされる事態に備えて調達先の多角化を進めている。日本は原発再生可能エネルギーがどのような状況になろうと、化石燃料の輸入に依存しなければならない情勢にあることに変わりはない。日本海にあるメタンハイドレートも、有望だとは言われながらも、実用化の目途が付くだけでもこれから少なくとも10年はかかるだろう。つい最近訪問したメキシコで、 「日本企業の石油やガス開発への参画、メキシコからの液化天然ガス(LNG)供給の可能性についても協力していきたい」とペニャニエト大統領との会談で訴えかけたそうだ。メキシコならパナマ運河を通らなくても輸入可能だろう。資源開発から参画できれば輸入が切られる可能性も小さい。中東の政治的不安定さの影響も低減できるし、米国の政治動向に左右されることもない。日本の将来を見た各国訪問だといえる。その成果が少しずつ実現してほしいものだ。