効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

関西電力管内の電気の流れ

なるほどという記事を見た。いま関西電力は、これまで想定していなかったような電力供給制御に苦心しているということだ。本来、敦賀湾周辺にある原発、黒4などの大規模水力、大阪湾沿岸にある火力発電が、大阪を中心とする需要地に向けて電力を供給し、その電気の流れは一定方向だった。ところが、いま原発が全部止まっていて,石炭火力一基くらいしか稼動していないために、大阪湾沿岸の火力発電からの電力を敦賀の方面に流さなくてはならず、そのような制御を想定していなかったために系統制御の修正に大苦労をしているという。大都市周辺にある供給網は高圧の供給ラインがループになっていて、この部分では電気が流れる方向は時間によって変化することによって需要の変動に対応するように制御されている。ところが、日本海側からは常に大都会に向かって電力を供給するのを前提として送電網が構築されているので、そこを電気が逆流するのは普通なら事故の時しかなかったはずだ。それが常態化しているし、ここ当分その状態が続くだろう。関西電力の系統制御担当には同情を禁じ得ない。
この状況がある中で、来年には広域系統制御を行う組織が生まれるのだが、このような異常状態にある送電状況をうまく把握して円滑な制御をしながら、新電力などが建設した発電所からの電力も円滑に受け入れるような制御をする責任が生まれる。難しい話になるかもしれない。