効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■関電、特高変電所数の削減

関西電力は関西エリアにある配電用の変電所を10年間で10カ所程度減らし、変電所内の変圧器も減らしてメンテナンスにかかるコストを抑えるとのことだ。同社は「特高」と呼ぶ高い電圧を下げる変電所を管内に約800カ所持っているが、高度経済成長期に完成して老朽化したり、想定よりも活用されなかったりした変電所から10カ所を減らすとしている。800の内10だから格別のことではないということではないだろう。需要サイドに自ら自由に出力制御ができない発電設備が増えてきたことから、送電系統の制御自体を基本的に見直す必要があるのだが、その一環として老朽化したものから始めていくと言うことだろう。

変電所を一つ無くするだけでも、そこの低圧側に何本も繋がっている送電網自体の制御も変更しなくてはならない。需要側に電源が増えてくると、これまでは変電所から需要側に向かってだけ電気は流れるという前提で系統の組み合わせや制御も行われてきた。しかし、これまでとは逆に電気が流れる可能性が大きくなっている現在、逆潮するとリレーが働いて切ってしまうとする従来型の制御では、今後の電力供給の姿を作り出すことは出来ない。だから、発表では10カ所というだけになっているが、それぞれの下流、あるいは、隣接する変電所の制御システムも大幅に変更するはずだ。それがあって始めて、理由の一つに挙げられている再エネ導入量の拡大も実現できるのだと思う。変電所を減らしたことによるコスト削減を、複数の発電施設を一つの発電所のように管理する「仮想発電所(VPP)」に関連する分野へ振り向けるという付け足しのような発表が本質的な変電所に手を入れる理由だろう。削減される10の変電所がどこにあるかを調べることができれば良いのだが。