効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電車への給電を超電導で

電力の損失がほとんどない「超電導ケーブル」を300メートル敷設して電車を走らせる実験に、鉄道総合技術研究所(東京都国分寺市)が成功した。以前にこの研究所を訪問した時に、構想として聞いていたものが実際に稼動したのだ。鉄道総研がつくったケーブルは、高温超電導金属を絶縁体や断熱パイプなどでくるんだ構造。ケーブルの内部に液体窒素を循環させてセ氏零下196度程度まで冷やすと電気抵抗ゼロで送電できる。実験では、線路脇に設置した300メートルの超電導ケーブルを通して架線に電気を送り、2両編成の車両を時速45キロで走行させた。現在の電車の架線に給電する電線には電気抵抗があるため電力が損失するが、超電導ケーブルに置き換えれば送電に伴う損失がなくなるため、冷却に必要な電力を差し引いても電力消費量を5%程度減らせると見込まれている。これまでどの程度損失を下げることができるか分からなかったが、具体的数字を知ることができたのは今後の参考として有り難い。5%という数字は小さいものではない。電車の架線への給電の多くは直流だから、これが交流の場合にはどうなるか、知りたいところだ。交流にはインピーダンス損失が必ずあるはずだから。