効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ロシアからウクライナへの天然ガス供給

ロシアがウクライナへの天然ガス供給を、代金未払いを理由にして停止した。それに対して、ウクライナは欧州から逆送を受けているという発表を昨日したようだが、これはロシアと欧州諸国との関係を悪化させる要因になりかねない。ガス調達の約15%をウクライナ経由のロシア産ガスに依存する欧州は5月2日以降、供給が維持されるよう仲介を試みてきた。2006年と09年にも冬季に欧州向けガス供給が停止されたことがある。西側諸国がウクライナへの支援を強化すれば、同じことが起きないとも限らない。現時点でロシアがウクライナ経由出欧州への供給を停止しても、使用済みガス田などへの備蓄もあって大きな問題にはならないという見方もあったが、ウクライナへの逆流を欧州が認めるということは、経済的支援に相当するから、ロシアは必ずそれへの政治的対応をするだろう。長期的にはシェールガスによる産出量の増加、LNG市場の拡大などで、ロシアへの依存度を下げることはできると言われるが、現時点で見れば、備蓄などでの対応では間に合わない。ロシアもエネルギー資源を政治の駆け引きの材料にするのはリスクがある。米英などが、日本への石油供給を止めようとしたことが、日本が戦争に踏み切った大きな原因の一つになったことも念頭に置く必要がある。ウクライナを経由するパイプラインが爆発炎上したというニュースも入ってきたが、テロによるものという見方も出ている。