効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

白金より有効な酵素

微生物から得られる酵素から、燃料電池が発電する時に触媒として使われている白金より触媒効果が1.8倍も大きいものを、九州大学の小江誠司教授らの研究グループが見つけたということだ。植物が光合成によって成長に必要な物質を作り出すのもそれが効率的にできる酵素がある。これも同じ機能のあるものを見つける努力がなされているが、このように生物が体内で化学反応を高効率で行っているのと同じような技術を開発するのは一般的にバイオミミクリー(ミミクリー:真似)と言われる。白金はいろいろな化学反応分野で使われる触媒だが、そのコストが高いのが欠点で、その代替物を見つけようと科学者は力を注いでいる。今回の酵素の発見は、大分県内にある九大施設周辺の土壌中の微生物から、特に高い効果を持つ酵素の採取に成功したということだから、この酵素を人工的に量産する技術の開発が今後必要ではあるが、科学者の夢の実現ともいえるものだろう。成功すれば高コストが普及を妨げている燃料電池の価格は大きく下がる。燃料電池だけでなく、自動車の排ガス浄化や多くの化学反応にも使われているから、もし成功すれば世界的に高く評価されるものとなるだろう。