効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■固体高分子電解質型燃料電池の寿命長期化

 燃料電池自動車(FCV)や日本で普及が進んでいる家庭用燃料電池エネファームに使われている固体高分子電解質膜については、その触媒に使われている白金の量を減らすことと、耐久性を高めることが重要な課題だ。耐久性については商用化されているものではほぼ10年くらいにまでなっている。その寿命をさらに長くする研究成果をNEDO山梨大学、田中金属が開発したという情報をNEDOから受け取った。NEDO山梨大学田中貴金属工業は、固体高分子形燃料電池の水素極における電解質膜劣化の原因となる過酸化水素(H2O2)の発生を半分以下に抑制可能な白金‐コバルト合金水素極触媒の開発に世界で初めて成功したということだ。この触媒を燃料電池に組み込むことで、従来の燃料電池向け市販白金水素極触媒を用いた場合に比べて、電解質膜の耐久性を4倍以上に高められるようだ。具体的には、電解質膜を分解劣化するラジカル発生源となる過酸化水素(H2O2)の発生速度を大幅に抑制する白金‐コバルト合金水素極触媒の開発に世界で初めて成功したというもの。山梨大学は白金‐コバルト合金ナノ粒子の表面構造を制御して耐酸性を高めた白金スキン/白金‐コバルト合金触媒を試作し、市販のPt/CB触媒に比べH2O2発生速度抑制効果が非常に大きいことを発見している。

 触媒のH2O2発生速度が、従来使用されてきた市販の白金/高表面積カーボンブラック担体触媒)に比べて半分以下に抑えられることを確認したということで、今回の研究成果は、2020年1月9日に英国王立化学会(RSC)発行の科学誌「Journal of Materials Chemistry A」のオンライン速報版でオープンアクセス公開されているから、燃料電池関連機関には伝達済み。FCVや定置用燃料電池の耐久性の飛躍的な向上が期待される。今回のように飛躍的な寿命の延長は、今後再エネで発電した電力で水を電気分解して得られる水素を燃料にする燃料電池の普及にも大きな期待を寄せることができそうだ。寿命とコストの面で、水素利用を急速に進めるのに少なからず疑問を持っていただけに、うれしい研究成果の発表だった。

 

 

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