効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

レアメタル使用10分の1に

今日の奈良新聞に出ていた記事だが、九州大学大学院工学研究院の研究グループが、燃料電池、特に燃料電池車や家庭用の燃料電池エネファーム」に使われる固体高分子型燃料電池に使われる白金の使用量をこれまでの10分の1に抑えることに成功したという。自宅でとっている全国紙には出ていなかったのだが、地方紙にこのような記事が出されることは珍しい。燃料電池でも世界で富士電機だけが商品化している高温型のリン酸型燃料電池にも白金は多く使われているから、そのコストダウン効果は大きいだろう。白金はレアメタル希少金属)の一種で価格が高い。1グラム約5千円だということだが、この使用量を減らすのに、米国も多額の補助を出して技術開発をしている。研究グループは、触媒反応の際に、白金を構成する粒子の表面が働いていることに着目。白金の表面積をより大きくするには、粒子の直径を小さくすれば良いと考えて、特殊な化学製品を使うことで小粒子化に成功したという。5日付けの英科学誌電子版に発表したということだ。実用化にどれほどの時間がかかるだろうか。白金は自動車排ガスの浄化装置にも使われているし、合成化学にもよく使われる触媒だから、その波及効果は大きいはず。