効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■空気電池向け触媒

 東北大学発スタートアップのAZUL Energy(アジュールエナジー仙台市)が白金やマンガン系の素材を使用せず、低コストで人体に害のない電池の触媒を開発したと報じられている。次世代電池の有力候補である空気電池や燃料電池への応用が期待されるとのこと。空気電池は空気中の酸素を取り込み化学反応させることで電気を生み出すのだが、リチウムイオン電池やアルカリ電池よりも小型で長時間使用できる。空気電池のうち、実用化されているボタン型の補聴器用空気亜鉛電池リチウムイオン電池の約3倍のエネルギー密度だということは、この記事で初めて知った。従来、空気電池の触媒は、マンガン系が使われているが、同社が開発した新素材「AZUL」は鉄系の金属錯体である青色顔料とカーボン材料などから作る。高出力で高容量の電池が可能になるほか、人体にも害がなく耐久性も高いという。

 心電図や体温、皮膚の状態など生体データを取得するのに直接肌に貼り付けて使うウェアラブルセンサー用の電池として商品化しようとしている。万が一電池の素材が漏れても人体に害を及ぼさないからだ。今後も空気電池だけでなく、燃料電池の性能向上などへの応用も見込まれる。燃料電池用の触媒には通常は白金等の貴金属が使われているが、AZULは金属で使用されているのは鉄のみで、コストを半分以下に抑えられるようだ。燃料電池コストの半分以上が発電モジュールだから、日本が先行している家庭用、業務用燃料電池、特に固体高分子電解質形のものへの応用が早期に実現するかも知れない。燃料電池自動車への応用もその範疇に入る。将来性の高い技術開発かもしれない。

 

 

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