効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

シェールガス掘削技術

京都大学の研究チームが、シェールガスの掘削に炭酸ガスを使う手法を開発したという。従来型のガス田は、お椀を伏せた形をしたガスを通さない地層の下に溜まったガスをパイプで採取する方式だが、シェールガスの場合には、天然ガスを大量に含んでいるが、強固な地層の場合、ガスは移動しないため大量に採取できなかった。それをその地層に横から穴を空けて、高圧の水に薬品を加えたものを吹き付けて岩盤にヒビを入れて、そこから大量に漏れるガスを採取する。その時にまず大量の水が必要なのと、薬品を含んだ水が周辺の水を汚染する可能性がある。これが環境破壊につながるとしてシェールガスの採掘を許可しない国や地域があるのも肯ける。今回開発された技術は、炭酸ガスが摂氏31度を超えると73気圧という超臨界圧を発生するので、それで固い岩盤にヒビを入れるのだという。これが実用的なものとなれば、いま開発が進められている火力発電所の排ガスから炭酸ガスを回収して地球温暖化を抑制しようとする技術(カーボンキャプチャー)から集められる炭酸ガスの利用もできる。炭酸ガスは液化炭酸やドライアイスとして大量に輸送することもできるから、シェールガス掘削の場所まで移動させることも難しくはないだろう。それによって、回収した炭酸ガスをどのように隔離するかというこれまでの難問が解決できるかもしれない。岩盤にヒビを入れた炭酸ガスはほとんど地中に残るようだから。この10月から実証試験を富山県で始めるというから、その成果に期待したい。