効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

温泉熱発電の促進

経済産業省は、地熱発電の一種である「温泉水発電」に関する規制を5月から緩和する。温泉水を使った蒸気で電気を起こす設備の保守や点検の負担を軽くし、旅館や温泉施設の事業者が低コストで発電事業に乗り出せる環境を整えるためだ。本格的な地熱発電は深い井戸を掘ったりするため、温泉事業者などは泉源が枯れるおそれもあるとして反対してきた。しかし、泉源の温度が90度を超えるようなところでは、それをオーガニックランキンサイクルによってタービン発電する(バイナリー発電)ことができ、あちこちで設置され始めている。だが、規制によって、発電用のボイラーやタービンの保守・点検を手がける「主任技術者」がいなければならなかったのが一つの障壁となっていた。それを不要とするよう電気事業法の省令を改めて、温泉事業者が設置に取り組みやすくするということだ。一つの設備の発電規模は数十キロ〜数百キロワットと小さいが、それが温泉に新しい魅力を付けることになれば、地元活性化にもつながる。資源エネルギー庁によると、温泉水発電を含む地熱発電の設備の累積導入量は、12年6月末までで50万キロワット。産業技術総合研究所の試算では、発電に使いやすいとされる50〜120度の温泉水の資源量は830万キロワットにもなるというから馬鹿にはならない。