効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■オリックスが大規模バイナリー発電

 バイナリー発電はオーガニックランキンサイクル発電とも言われ、水よりも比較的低い熱で気化する熱媒体を使って加熱して膨張する圧力でタービンを回して発電する。最近建設されてきたのは、温泉地の泉源の高温を利用するものだが、新たに泉源を掘削することはしなかった、あるいはしたとしても、既存の温泉に影響を及ぼさないような小規模なものだったために、数十キロ~数百キロワット規模のものが殆どだった。だが、このほど、オリックスが、北海道が所有する土地を活用して地熱発電所の建設に着手したものは、2022年初春の竣工、商業運転開始を目指すが、その発電規模が6,500kWだということだから、かなり大規模なものとなる。今回のものは、地下に掘削して湧出する高温水を利用するが、発電後は全量地下に戻す方式を採用している。環境への配慮をしているのだろう。

 オリックスは、これまで地元関係者の協力のもと、石油天然ガス・金属鉱物資源機構JOGMEC)による地熱発電にかかる助成金の採択を受け、2014年から地熱資源量調査や、温泉や環境への影響調査を進めてきた。ポンプを活用した熱水の汲み上げにより、井戸の掘削本数と敷地面積を削減するとともに、水を使用しない冷却装置を使用することで樹氷の発生を防止するなど、環境保護を重視した設計とした。さらに北海道の豊かな海産資源を守るための植林や間伐などの森林整備を行うなど、地域と連携して環境保全を図りながら、施設の建設を進めていくようだ。地熱発電は、季節や天候、昼夜を問わず中長期的に安定して電力を供給できることから、ベースロード電源として活用が期待されている。日本の地熱資源量は米国、インドネシアに次いで世界3位と言われており、豊富な資源による高い地熱発電開発の可能性を有している。国立公園が適地である事が多く、工事の許可が得られないとか、泉源の開発に地域の同意が必要なことと、掘削コストがかかり、泉源をヒットするかどうかの確率が必ずしも高くないのが課題となっている。

 これからこのような規模の大きい地熱発電が開発されることが期待される。

 

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