効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

温泉熱利用の発電

再生可能エネルギーによる発電の全量買取法が成立するのを受けて、全国各地で小規模な自然エネルギー利用の発電プロジェクトが具体化しつつある。ただし、全量買取と言っても一体キロワット時あたりどれくらいで買い取ってくれるのかの数字がきまっていないから、その高さ(低さ)加減によっては、プロジェクトの殆どがつぶれてしまう可能もある。また、電力会社がそれらの発電機の系統接続について難しい基準を作ったり、送電線までの接続配線のコストを全部発電事業者が負担することになれば、事業性がまったくなくなってしまう可能性もある。
しかし、いまは夢を語れる段階だ。面白いなと思ったのは、静岡県下田市東伊豆町南伊豆町の源泉計4カ所で、温泉水の熱を使った温泉発電が計画されているというものだ。水より沸点の低いアンモニアのような媒体を使うオーガニック・ランキンサイクル発電だ。温泉水で発電装置を動かすにはセ氏70度の温度が必要。90度あれば理想的という。この温度に触れると、アンモニア液が蒸発する。それを閉じた場所で行わせると高圧になるので、その圧力を小さな穴から噴出させてタービンを回す。その後、その蒸気を水か空気でひやしてやれば元のアンモニア液に戻るので、このプロセスを循環させればよい。ただ、全体を循環させるのにポンプが必要で、それに電力が必要だ。今回のものが出力50キロワット規模になると聞いて、驚いている。かなり多量の高温温泉水が必要となるから源泉の量が豊富でないとなかなか実現は難しかろう。ただ、温泉水そのものの質は変わらず、これほど高温な温泉はいずれ冷やさなければならないので、途中で熱を奪うのに何の問題もない。設備コストと設備の信頼性、メンテコストが課題だろう。とりたてて高度な技術は要らないが、できれば有毒性と腐食性のあるアンモニアに代わる媒体が使えればもっと良いと思うが。