効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

廃熱利用

何度か書いている廃熱の利用実用化が進む年になりそうだ。NECが、安価な材料で曲げられるシート状の発電用素子を開発したようだし、パナソニックは熱を出すための配管に合うチューブ状の素子を作り、セ氏80度の温水から太陽光発電の2倍となる発電能力を得た。現在利用されることなく捨てられている300度C以下の工場廃熱や自動車の排ガスの熱などを有効利用できる。
これは発電だが、下水の中を流れる水の安定した温度の熱を回収して利用する方式の実証試験が積水化学仙台市の間で行われることになったという報道もある。これは下水管の内壁に積水化学工業などが開発した帯状の塩化ビニル樹脂製部材を既存の管路にらせん状に巻き付ける管路更生工法を応用したものだ。更生部材にブライン管と呼ぶポリエチレン製の管を埋め込んだ後、既存管路の内側に巻き付けて劣化した管路を改修する。ブライン管には不凍液を流し、これが年間を通じて温度が安定している下水の熱を回収する。後から人間が入ってメンテできるように、直径が1メートル以上の下水管に実施できるとのことだ。ブライン管に不凍液を流し、下水道管の長さが約4mとなる区画を1ユニットとして区切り、ヒートポンプなどに接続する。これがうまく展開すれば、下水道インフラの老朽化を逆手にとった巧妙なエネルギー利用となるだろう。身近にある熱源をどのように利用するか、まだまだアイデアはあると思う。