効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

奈良県が分散型エネルギー・インフラ調査に

奈良県が、国の「地域の元気創造プラン」に基づく地域活性化インフラ・プロジェクトの一つである「分散型エネルギーインフラ」プロジェクトで、地方自治体に対して導入可能性を問う調査事業に名乗りを上げたそうだ。これまでエネルギー関連の動きが鈍いと思っていたのだが、ちょっと見直した。県庁本庁舎(奈良市登大路町)でのガスコージェネレーション(ガスを使って電気と熱を取り出し、利用するシステム)の発電により、分庁舎、文化会館、美術館へ電力と熱エネルギーを供給するというもの。これが実際に奈良県で受託できるかどうかは分からないが、応募に当たって行われた調査が、奈良県庁周辺のエネルギー需要構造を明らかにしただろう。ここで重要なことは熱需要がどれほどあるかということだ。コージェネレーションは、発電時に発生する熱をフルに利用することで総合効率を上げるものだからだ。県庁舎周辺には県の施設が固まっているから、熱を融通することは可能だ。それに応じた発電規模のコージェネレーションにした場合に電力が余るとすれば、遠くにある県の施設に関西電力の送配電網を利用して自己託送しても良い。電力市場が全面自由化すれば、県が新しい電力供給事業者になることも考えられる。ま、調査事業に採択され、さらに実施に移されることが前提だが、国も面白いことを考えたものだ。