効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

コージェネレーションの市場拡大

日本ガス協会は27日、2030年に向けた天然ガスの普及拡大目標を発表しました。コージェネレーションは現状の460万キロワットから3千万キロワットと6倍以上に、産業用熱需要に占める割合は10%強から25%に高めるということです。ここ数年、天然ガス価格の上昇によって、コージェネレーションはほとんど設置が進んでいませんでした。しかし、東日本大震災後、単純な価格比較ではなく、工場などのエネルギー供給の確保といったものに価値が大きくなったので、今年は販売量が急増していると聞きます。熱需要があるところでないとエネルギー効率が高いという真価は発揮できないので、工場などの他、病院など本来的に熱需要が高いところで設置が進むでしょう。おそらく停電時にも稼動ができるようなものに関心が高いはずです。
コージェネレーション以外にもガス空調は現状の1300万冷凍トンから2600万冷凍トンに、家庭用燃料電池は2万台から500万台(LPG含む)に、天然ガス自動車は4万台から50万台に拡大するという意欲的な計画になっています。電力供給不足を実感した新しい消費者が生まれたと言えるかもしれません。しかし、これだけの天然ガスやLPGはほぼ全量輸入ですから、その調達にガス事業は注力しなければなりません。また、ガス協会も求めているように、コージェネレーションについては送配電系統への接続を電力会社が受け入れるようになって貰うことが必要です。コージェネレーションからの発電電力が設置場所の消費量を上回ったときに、電力会社が買い取ることを促進する制度の整備も必要です。これをしていないのは先進国では日本くらいのものです。電力会社の発電能力増強も、当面はLNG火力にならざるを得ないのですから、電力・ガス事業が連携して、大型火力発電よりも総合効率が高いコージェネレーションをより魅力的にする制度を作る必要があるでしょう。それもできるだけ早く。