効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

奈良公園の鹿

奈良公園から人にすり寄ってくる野生の鹿が消えたら、何とも味気ない公園になるだろう。奈良新聞のコラムが書いているが、国の天然記念物「奈良の鹿」は、人の社会と変わらぬ高齢化に直面しているという。北海道大学大学院で保全生態学を研究している立澤史郎さんの論文からそれが分かるらしい。公園内の食物は限られているので寿命が延びても栄養は不足ぎみ。その結果、幼くして死亡する鹿が増えたり出生率が下がるなどして逆ピラミッド型の社会が出現するのだそうだ。立澤さんは、そんな鹿社会の将来に警鐘を鳴らす。貧栄養で高齢の鹿たちが環境変化で「クラッシュ」すると、頭数が減り過ぎる事態も考えられるという。現時点では奈良公園にいる鹿の数は多く、車が頻繁に通る道路を横断したりして事故に遭う鹿も増えているためにいろいろな防止策も考えられている。頭数が減るかもしれないとは考えもしなかった。奈良公園の芝生がいつも綺麗に刈り込まれているのは鹿が食べるからだが、それだけでは頭数が増えると栄養が保てないのだろうか。最近ドングリを持ち寄って鹿に食べさせる子どもたちの映像をテレビで見たが、何かの補給手段が必要かもしれない。だが、ある程度以上に頭数が増えないようにする工夫の方が先に来なければならないようにも思う。痩せこけた鹿が歩く奈良公園も見たくないからだ。