効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

戸建て住宅の高効率化

長野県がエネルギー効率の高い住宅の建築を促進するということだ。最近の新築戸建て住宅は、エネルギー損失が少ないものとなり、自然エネルギーの利用も進んでいる。この傾向をさらに促進するために、2015年度から、戸建て住宅を新築する人にも、保温・断熱性能の高い建物を検討する義務づけがなされる。県の地球温暖化の対象に戸建て住宅が加わり、住宅メーカーなどは,新築する住宅で1年間に必要な光熱費などの情報を提供する義務を負うということだ。つまり、高効率な住宅の建築コストは高くなるが、エネルギー消費が減ってコストを回収できることが確実なことを納得させる必要があるということだ。2014年4月からは床面積300平米以上の集合住宅やビルにもこの義務づけがされるのだが、1年遅れだが県の施策として義務づけがされることになったのだ。戸建て住宅にこのような義務づけ出される例は多くないはずだ。一般の人の意識付のために戸建ても対象にしたとのこと。進んだ規制の導入事例だと思う。
次に検討すべきものは、数の上では圧倒的に多い既築の戸建て住宅の高効率化だろう。そのためには、多少の費用負担が必要かもしれないが、現在の住宅を高効率化する方法とコストを幾つか提示して、必要なコストが何年で回収できそうかを明確化することを、地方自治体の委託を受けた事業者に実施させることが必要だ。リフォーム事業者に義務づけしても、売り込みが先行してしまう怖れもあるから、公的なサポートが必要だろう。既築住宅の高効率化にはいろいろな手法があるし、住宅別に異なることも多いから、なかなか実施するには難しい点もあるが、これが推進されれば日本全体のエネルギー消費は確実に下がるはずだ。一方、既築のビルの効率も極めて悪いのだが、その高効率化には、特にテナントビルなど、利用者とオーナーが異なるビルについては、促進する制度的な準備をしなければならないだろう。国の施策としてまず検討すべきだと思う。拙訳のエイモリー・ロビンス著「新しい火の創造」(ダイヤモンド社)には、建物の高効率化が極めて重要であることが指摘されている。ぜひ多くの人に読んで貰いたいと願う次第。