効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

YKK80ビル

秋葉原近くに2015年9月に建設され運用が開始されたYKK80ビル。エネルギー消費効率が極めて高く、各種の表彰を受けている。その特徴は、ビルの開口部である窓の外側にアルミブラインドを付け、窓は内側に電動のブラインドが入った複層ガラスになっている。室内照明についても自然光が十分取り込めるようになっている。おそらく空調用配管なども流体循環損失がないような設計がなされているだろう。その結果エネルギー消費が通常の建物の60%減という実績を出している。当初室内の温度設定を、夏28度、冬の暖房に20度にしていたが、働く人から暑い、寒いの苦情が出たため、それぞれ27度、21度に変えている。無理を強いることなくエネルギー消費の効率化を達成するという方針に沿ったものだという。
16年2月末には、米国の建築物環境性能評価制度「LEED」で最高ランクのプラチナ評価を取得した。17年9月末時点で、国内にはLEED認証取得物件が99件あり、そのうちプラチナ取得は18件。YKK80ビルは、新築テナント部門(LEED-CS)でプラチナを取得した最初のオフィスビルだ。この建設コストは大きいだろうが、エネルギー消費が少ないことからコストは十分回収できるはずだ。日本でLEEDのプラチナ評価がどのように見られているか分からないが、米国では環境志向のテナントが入居を求めるためにテナント料は高く設定できるという。これも収益性を高める要素となるだろう。企業の間で環境志向が高まる中、新築ビルにこのような高効率なものが増える方向に向かうだろう。