効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

原発の建て替え

今日の毎日新聞が一面トップで、政府・自民党は23日、中長期の原子力政策として、既存の原発の敷地内で旧炉を新しい炉に更新する「リプレース(建て替え)」を打ち出す検討を始め、年内にまとめる政府のエネルギー基本計画に明記する方向で調整すると報じている。現政権が脱原発を受け入れないという姿勢を変えたと見られないように、原発の新規立地がまず不可能な状況の中でひねり出された方向だろう。しかし、現在ある原発自体がいかに安全基準を満たしていて再稼働できたとしても、それの寿命が来た時に新しいものに置き換えるということは、これまで使ってきた原子炉を解体しなければならないということを意味する。火力発電所であれば、放射能という極めて取扱が厄介なものがないから、長い年数をかけなくても撤去して新しい火力発電設備を設置することは可能だ。しかし、原発の場合、既存のものを廃炉にしたうえで解体しなければならないのだから、極めて危険な作業を行わなければならない。高度の放射能汚染を受けている原発設備本体の解体には少なくとも十年以上はかかると考えても良いのではないだろうか。解体した設備の放射能は極めて高い。どう保管し処理するのだろうか。原子力発電の推進姿勢を変えないということを示すために出された苦肉の策だろうが、結果としては脱原発にならざるを得ない政策変更になっているように思える。