効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

炭素繊維強化熱可塑性プラスチック

NEDO新エネルギー・産業技術総合開発機構)が今日発表しているが、東京大学東レ(株)、三菱レイヨン(株)、東洋紡(株)、(株)タカギセイコー等のグループは、加熱すると成形しやすくなる熱可塑性樹脂を用いた、まったく新しい「炭素繊維強化熱可塑性プラスチックス(CFRTP)」の開発に成功したということだ。自動車や航空機の軽量化には炭素繊維の利用が大きな効果を出すことが期待されていたが、これまでは、熱硬化性の樹脂と一体化させる技術が中心だった。この場合製造プロセスに加熱時間が必要で、量産型の製品には使いにくかったのだが、熱可塑性のものにすれば、多分平板の素材を加熱して型に押しつければ、複雑な形をもったものになるのだろうと推察する。それを冷やせば良いのだから、製造時間は大幅に短縮されるのは確かだ。さらに再成形ができるためリサイクルが可能となり、循環型社会の実現に大きく寄与することが期待できるとも発表内容に入っていた。これも重要な要素だ。熱硬化性樹脂ではリサイクルは必ずしも簡単なことではないと言われていた。高い強度と非常に軽いという特性を有する炭素繊維は、世界の生産量の7割以上を日系企業が独占している先進素材だそうだが、この新しい技術が普及すれば、もっと占有率が上がるだろうと期待される。NEDOのプロジェクトとしては、実用化によってエネルギー効率を上げるという面でも世界に貢献する技術となるのではないか。