効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

自動車の車体の樹脂化

炭素繊維強化プラスチックはいま大型旅客機の胴体や主翼部分に使われていて、その製品化技術は東レが断然強い。以前から自動車にもこのような強化樹脂が使われるだろうと思っていたのだが、依然としてスチールやアルミの素材が使われ続けている。成形のやりやすさとコストが課題なのだろう。その壁を破る技術が開発されたそうだ。一つは、従来なら、シート状のCFRPを金型に押し込んで成型する「SMC(シート・モールディング・コンパウンド)」は25ミリメートル程度に刻んだ短い炭素繊維を樹脂に浸して作るのだが、強度が十分ではなかったのを、織り上げた炭素繊維を樹脂で固める高強度のSMCで片面を補強、短繊維のSMCを金型に押し込む新しい成型法を開発したのが三菱ケミカル。さらに新商品として登場したのが、植物由来の新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」。紙の原料となるパルプをナノメートル単位に細かく解きほぐした素材で、結晶1つあたりの強度は鉄の5倍で、重さは5分の1。これを開発したのが古河電工で、強靱な電線被覆を作る技術を応用したとされている。それによって、コストが大幅に削減されたそうだ。従来の製造コストは1キロ数万円だったが、この新技術によると1キログラムあたり数百円にまで下げられると報じられている。このような樹脂製品が登場すると、鉄鋼メーカーには大きな脅威となるだろう。