効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

原発発電単価

今日MOX燃料がフランスから関西電力の高浜原発に到着した。3/11以降で初めてらしい。丁度電力会社の株主総会が終わったところで、ゼロ原発などの株主提案は否決されている。ただMOX燃料は原発の稼動で出てくるプルトニウムを発電に使って消費し、原爆への転用をしないということを示すためにいわば緊急対応として行われているが、既存の原発設備はこれを使うことを前提にした設計にはなっていないし、燃料自体も扱いがかなり難しいものだという。これから原発の稼動再開が行われるのは仕方がないことだと思うが、MOX燃料を使うのは新たな安全リスクを抱えることになる。
改めて原発の発電原価が本当に低いのかを考えて見た。原発促進の大目的を達成するためではあるが、最近報じられているように、廃炉費用が電力会社の負担すべきものとして想定されていないのだから、今の原発発電単価は意図的に含めるべきコストを料金原価に入れないことで安くなっていると言える。現在の料金原価に入れられている原発関連コストを厳しく見直し、安全リスクも価格算定して算入すれば、原発の発電単価は驚くほど上がるのではないか。
今の料金原価を前提にする限り、電力会社が運転再開を熱望するのは当然だが、少し時間はかかるが使用済み燃料の後処理コストと廃炉コスト、所要時間コスト、安全コストを白日に晒せば、原発は安いとは言えなくなるのではないか。このようなコストを政府が負担することで原発の発電原価を上げない政策も出てくるだろうが、それに目をくらまされないように気をつけなければなるまい。