このところ原子力発電についてばかり日記に書いているようだが、今日も、 東京電力ホールディングスの小早川智明社長は14日、福島県庁で内堀雅雄知事と面会し、福島第2原発(同県楢葉町、富岡町)について「4基全て廃炉の方向で検討に入っていきたい」と述べたと報じられればまた書かざるを得ないだろう。この原発は福島第一原子力発電所の南12キロのところにあり、東日本大震災の時の津波をもろに受けたのだが、非常用発電機が何とか機能したことで事故とならなかったものだ。しかし、震災の後ずっと停止していた。これで福島県内にある10基の原発は全て廃炉になる。小早川社長は、地元の復興の妨げになると説明したそうだが、それならばもっと早く決断できたはずだ。福島第一原発廃炉が想定以上に難しいことが分かり、また、安全規格に合わせるコストが大きい上に、柏崎刈羽原発が地域の反対で稼働できない現状を見て、廃炉以外の選択肢がなくなったのだと言える。既に取締役会の賛同を得ていると言うから、これが覆ることはないだろう。これによって、政府がこの4月に出したエネルギー基本計画で示した、2030年に向けて原発の総発電電力量を22〜20%に維持するのは決定的に難しくなっただろう。他の電力事業者が管理する原発も同じような状況に追い込まれるだろうからだ。これに対して当面はLNGの輸入増量で対応しながら、エネルギー消費のさらなる効率化と、再生可能エネルギーの増強に向かわなければなるまい。廃炉には70年ほどかかるとされるが、廃炉先進国として廃炉技術を蓄積するのだと考えても良かろう。