効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

柏崎刈羽原発、安全審査に合格

着々と原発再稼働が推進されている。原子力規制委員会は4日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(新潟県)の再稼働の前提となる安全審査で、事実上の合格証となる「審査書案」をまとめたと報じられている。一般からの意見公募などを経て年内にも正式合格する。福島第1原発事故を起こした東電の原発が合格内定するのは初めて。福島第1原発と同じ沸騰水型の合格も初めてとなる。政府は原発を石炭火力とともに、ベース電源と位置づけ、その比率を一定以上に保持しようとしているから、この合格はほぼ確定的に予想されていたものだ。東電の幹部を呼んで、この原発の運転についての姿勢を問うなど、安全審査として全く意味のないことまでして、世間の目をはばかりながら合格させたものだと受け取っている。福島第1原発廃炉を完遂し、原発の安全を最優先する姿勢を法に基づく保安規定に盛り込むことを東電に確約させたというのも茶番劇だと言っても良い。廃炉費用や賠償金の確保のためには、東電の経営の収益性を維持しなければならない、というのは分からないではないが、これを足がかりにして、他の原発の再稼働に向けた審査が急進展することになるだろう。これによって増えるようになる使用済み核燃料の処置や、いずれ来る廃炉のコストなど、結局つけを後に回しただけのことだ。LNG発電所の更新、新設の方が全体としては安くつくのではないか。LNGには輸入価格変動リスクはあるが、その供給が誰かに止められるような危機はないはずだから。