効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

無線送電

マイクロ波を使った無線送電で離島に電力を供給する技術の実証研究を本年度から三菱重工が始めるという。この送電方式は、宇宙衛星に建造した大型の太陽光発電からの電力を地上へ向けて送るというアイデアとしてかなり以前からあったものだが、技術的な難しさから早期実現の方向に行くとは思っていなかった。年度内に地上で距離500メートル、出力10キロワットの送受電設備を作って試験を行うという計画。宇宙太陽光発電では発生した電力をいったんマイクロ波やレーザーに変換し、地上のバラボラアンテナ受電設備に伝送する。徐々に送電距離や出力を拡大し、離島への送電のほか電気自動車(EV)への充電、洋上風力発電設備からの送電といった用途での活用も視野に入れているとのことだ。見通し距離にある離島に送電するのは実際に可能なのだろうか。電力をマイクロ波やレーザーに変換するには、レーダーなどに使われている変換器の出力を大幅に増強し、焦点を絞って送られたエネルギーをバラボラアンテナで受けて電力に戻してやらなければならない。このエネルギービームを取りや飛行機が横切ったときに焼けてしまうということはないだろうか。変換損失が大きくならないか。無限のエネルギー利用という夢の実現だが、風力発電太陽光発電が確立された今、宇宙衛星で太陽光発電を実現させる意味がどれほどあるのだろうか。