効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

大気中のCO2濃度

米海洋大気局(NOAA)は10日、ハワイのマウナロア観測所で測定した大気中の二酸化炭素(CO2)の平均濃度が9日に1958年の観測開始から初めて400PPMの大台を超え、最高値を記録したと発表したと報じられている。確かこの観測所は世界でもっとも長い間大気中のCO2濃度を測定しているところで、世界の基準となる観測所の一つだと思う。標高3397メートルにあり、人間活動の影響を受けにくい場所にある。産業革命前のCO2濃度は約280ppmだと推定されていて、気候変動に関する政府間パネルIPCC)は、人為的な温暖化ガスの排出が急増した18世紀後半の産業革命以降の気温上昇を2度以内に抑えるには、温暖化ガス濃度を450PPMまでに抑制する必要があるとしている。
だが、化石燃料の使用は世界の枠組の中で見れば量的な上昇が続くし、中国などを中心としたアジア諸国では石炭の消費量が増大している。再生可能エネルギー拡大に注力している中国だから、地球温暖化への影響を下げなければと考えてはいるが、他の選択肢がないのが現実だろう。だとすると、それを前提にしてCO2排出量を抑制する方策をこれから総動員しなくてはならないし、この分野で日本が貢献できることは多いだろう。特に地理的にエネルギー消費が急増している国との距離が近い国であるだけにそう言える。大気中に放散されたCO2を吸収するのは植物に頼らざるを得ないが、排出量を減らすのはエネルギー技術とシステム化で可能だ。それ以外に方策は当面ないとして、多面的な技術開発に日本が注力してほしいと思う。エネルギー自給率が低い日本にとってはそれが安全保障力の源でもあるのだから。