効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

海水の環境

火力発電所などから排出された二酸化炭素(CO2)は大気中にとどまって地球温暖化をもたらすだけでなく、海に溶け込んで弱アルカリ性の海水を中性に近づけるという日経の記事に感じるところがある。海水のPhが変化するとは知っていたが、中性に近づくことが海の生物生息環境にマイナスの影響を与えるということは知らなかった。海水のpHは通常は8.1前後の弱アルカリ性だが、CO2の影響で中性にじわじわ近づいているらしい。海洋酸性化は地球温暖化と並んで「もう一つのCO2問題」ともいわれる。ただ気温上昇と違って正確なデータをとるのが難しく、理論的に予想されても実態はなかなかつかみきれなかったそうだ。これに関する調査を日本が行い、そのデータが示され、緯度にかかわらず低下傾向にあり、紀伊半島沖の北緯30度の海域では10年あたりpHが0.018低下していたということが分かったのだ。これを見て思ったのは、バイオ燃料から出るCO2は、いずれ植物に吸収されるから地球温暖化に関してはニュートラルだということになっているが、海に吸収されるものは植物に吸収されるという過程を期待できないのだから、大気中のCO2の濃度変化にバイオマスからのCO2が長期的には悪影響を与えていないとしても、海水への影響は避けられないだろう。その辺りをどのように理解すれば良いか考える必要がありそうだ。