効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

都市鉱山

廃棄された家電製品や携帯電話に含まれる再利用可能な金属は「都市鉱山」とよくいわれている。概念的にはその通りだとは理解できるが、回収や再利用は、それに必要なコストが高いために簡単な話ではないと感じていた。最近見た記事によれば、日本の都市鉱山の埋蔵量は金が約6800トン、銀は6万トンにのぼり、多様なレアメタルも含まれており、なかにはインジウムタンタルのように世界の埋蔵量の1割を超えるものもあるということだ。
都市鉱山の資源再利用には、従来手法では高温で金属を溶かさなくてはならず、コストが下げにくい。ところが、大阪府立大学の小西康裕教授は自動車用排ガス装置やリチウムイオン電池から、細菌を使ってレアメタル希少金属)を効率よく回収する技術を企業と共同開発したと報じられた。生物的なプロセスであるために、回収コストを従来の半分以下にできるという。薬品に溶かした白金やパラジウムを、金属を体内に取り込む特殊な細菌を加えて、実験では50ミリリットルの溶液から3時間で白金などを99%回収できたというから驚きだ。他の金属でも同様の手法が使えるそうだ。熱処理が不要になることから回収コストが数分の1になる。
日本がぶつかっている資源制約の一角を切り崩す技術となるかもしれない。