効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

帝国ホテルの小水力発電

帝国ホテル東京は、空調に使う循環水の高低落差を活用した小水力発電を4月25日に始めるようだ。地上5階に設置する従業員施設向け空調設備の循環冷水を活用し、高低差約35メートルの水圧で発電する。発電した電力は電気料金換算で年間約24万円の削減となると見込んでいる。発電規模は年1万5000キロワット時で、これは本館1階正面ロビー部分の照明の消費電力に相当するという。
NHKのビルも同じような方式で発電している。これからこのような小規模水力発電が高層ビルに取り入れられると思う。帝国ホテルの場合、新築の建物ではないことに意味がある。これまで単純に地階にある水槽に落とし込んでいた空調用の水配管に、後つけで発電タービンを組み込んだ物だろう。配管コストが少なくて済むから案外流行するかもしれない。
昔高層ビルの設計をする人にこの方式を推奨したら、コストメリットが出ないと言われたことを思い出す。時代の変化と共にメリットが大きくなってきたのだ。建物自体のイメージもアップすることは確実だから、それを金額評価すればかなり得になるはず。帝国ホテルの場合、系統に売電していないようだが、一旦今の固定価格買取制度で売れば、業務用の購入電力より高いはず。ロビーの照明は水力発電で賄っていますという方が集客効果が高いのかもしれないが。
高層ビルで他に考えられるものとして、建物の屋上まで地上から一本の太い煙突状のパイプを設置し、そのてっぺんに小型の風力発電設備を取り付けることがある。いわゆる煙突効果で上昇気流が発生するし、夏には上空と地表面の温度差も大きくなるからドラフトは強くなると思う。ダクトの通る穴は建物を縦に貫通しているはずだから、工夫次第では既築の建物にも設置できると考えているがどうだろうか。