効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

シェールガス

米石油・天然ガス開発会社のGMXリソーシズは1日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を、オクラホマ州の裁判所に申請したと発表した。米国では新型天然ガスシェールガス」の生産量が急増した結果、ガス価格が低迷。資金繰りが行き詰まったという。
シェールガスで米国産天然ガス価格が大きく下がっているのは事実で、それをきっかけにして日本の電力・都市ガス事業が米国からのLNG輸入を構想して契約に至っているものもある。これには米国議会が許可を出すかどうかのリスクもあるが、米国の天然ガス価格独特の問題もある。石油の場合、米国内の価格が高騰すれば国際市場で調達できるから平均的な価格はそれほど大きくは振れない。しかし、米国はカナダからの輸入があるだけで殆どが国産である。これまでにも国内の天然ガス価格は、大きな振幅で上下してきた歴史があり、それはシェールガスの開発導入後も同じだと私は考えていた。天然ガス需要が落ちて、あるいは生産過剰になって価格が下がると、天然ガス田の開発事業者は利益が出なくなるために開発をストップする。その結果、ガスの生産量が低下し、そこで需要が増えていけばどこかの時点で価格が大幅に上昇する。そこからガス田の開発が再開されるのだが、すぐに生産量は増えない。結果として高値はしばらく継続し、開発成果がでたところでまた生産過剰になって価格が下落して開発が停まり、次にまた価格の上昇が始まる。シェールガスにも同じことが起きるのではないかと思っていたら案の定だった。日本が今後米国産のLNGの輸入を具体化するのは、調達の多様性としては好ましいことだが、常に安定した低価格で入手できるかどうかは分からないと考えている。特に、米国の標準価格での購入を契約した場合、安いときばかりではないだろう。高いときでも今のLNG輸入価格より常に低いと期待はできないだろう。