効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

知恵を働かす

電力市場自由化の一つの形だなと思わされる記事が今日の日経夕刊一面にあった。新電力(特定規模電気事業者)の日本ロジテック協同組合(東京)は、4月から関西電力管内で、固定価格買取制度の対象である太陽光発電の電気を、制度で定めた1キロワット時42円に0.5円上乗せして20年間買い取る。しかも規模によってはさらに増額するという。太陽光発電の買い取り額は4月から1割ほど下がることになっているが、この場合も同額を上乗せして引き取るらしい。買い取る電力量に上限は設けないという。一見損をしながら電気を買うように見えるが実はそうではないようだ。
電力会社や新電力が太陽光発電事業者から電力を買い取ると1キロワット時あたり約33円の交付金(季節などで若干変動)が支給される。42.5円で買い取っても、交付金を差し引けば実質コストは10円足らずとなる。なぜこのようなことになるのか。太陽光発電からの電気を電力会社が買い取るとき、その電力量を発電する燃料が少なくて済む。だから、経済産業省が支払う再生可能エネルギー給付金は固定価格そのものではなく、燃料使用を回避できたとしてその分は電力会社が負担するとされている。ところが日本ロジテック協同組合は発電するのに燃料コストを負担していないから、この方式の買取が利益を生むことになるのだと思う。知恵を働かした結果だろう。経済産業省もこのようなことになるとは想定していなかったに違いない。