効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

直流用スイッチ

太陽光発電燃料電池などは直流を本来的に作り出している。これを直流のまま利用できれば、エネルギー効率は大きく上がるはずだ。内部では直流を使っている電気機器も多いから、コストダウン、効率向上が可能となる。だが、建物内でも直流を一般化するには、電気の入り切りに使うスイッチが課題となると聞いてきた。交流はスイッチで物理的に遮断しても、必ず電圧ゼロの時があるためにアークがほとんど継続しない。それに対して直流は遮断時にアークが飛び続けるためにスイッチを安全に切ることが難しいとされていた。そのようなスイッチがないことはないが、特別仕様で価格は高い。
だが、最近電気制御機器専門メーカーの不二電機工業(京都市、小西正社長)が、パワー半導体(MOSFET)を使用した無接点型の直流開閉器「STHシリーズ」を開発商品化したと知った。同シリーズは、無接点で直流回路を開閉することで接触不良が発生せず、また、アークによる接点摩耗も発生しないため、高速、高頻度の開閉に耐える高い開閉耐久性を持つということだ。半導体の制御回路をDC24V信号で制御し、有線または無線による遠隔からの入切操作が可能となったのも大きな特徴だという。内部の半導体素子を性能の違うものに変更することで、顧客が求める様々な仕様や組み合わせに対応できるらしいが、価格は1万〜2万円程度とまだ高い。だが、需要が増えれば価格は急速に下がるだろう。これが何ボルトまでを対象にしているかがはっきりしないが、もし直流電圧3〜400ボルトで使えるとすると、少なくとも住宅、建物内部の配線を直流化するのに支障がなくなる。
数十万ボルトの高圧直流の高速遮断機もスイスのABB社が最近開発したから、世界標準になっている交流送配電網も次第に直流化していくかもしれない。このあたりは専門家の意見を聞きたいものだ。