効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

生駒市の浄水場に小水力発電

生駒市が、同市山崎浄水場に設置した小水力発電設備が完成し、19日に稼動を開始した。水道用に送られる水はまず平群調整池に貯められて、ここから74メートル下にある浄水場まで送られる。送るというより導水管を通って落ちるということだ。水の需要は時間によって変動するから、調整池から取り込む水の量を調節しないと不足したり溢れたりする。その調節にこれまで減圧弁を使っていたのをタービンに置き換え、それに発電機を取り付けたもの。水量と落差で発生するエネルギーをこれまで捨てていたのを発電に使う。発電した電気は「再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)」を活用して電気事業者(関西電力とは限らないかもしれない)に売電する。自治体の持つ小水力発電でこの制度を使うのは全国で初めてだということだ。
発電能力は40キロワットで、その発電施設の総事業費は約1億4千万円。年間35万キロワット時発電し、FITの価格では、キロワット時当たり35.70円(税込み)で20年間売れるため、20年で約8千万円の利益が出ると報じられている。電気の売上高を計算すると、20年間総計で約2億5千万円。この利益の額がどのように出されたのかは分からないが、生駒市の財務改善に貢献しながら地球温暖化抑制の効果を出すことになる。奈良には県営の桜井浄水場で197キロワットの規模で発電しているところが既にある。これは政府の補助金を使って作られたものだが、FIT適用第1号を狙って年度中に完成させたのは山下生駒市長の熱意と戦略だろう。全国の浄水場から見学が来るのは間違いなかろう。