効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

野菜屑を固形燃料に

静岡大学が、工学部が開発した、野菜屑や使い終わったビニールなどを高温で処理して粉末状の燃料にする装置を使って、野菜の温室栽培に使われる重油に代わる燃料として使うという実証実験を4月から始めるという。野菜屑をメタン発酵させることも考えられるが、一定の供給量を確保することや、その維持管理が大きな課題となり、農村地区で実用化はしていない。これに対して野菜屑などの炭化では、重さの半分が粉末燃料となり、石炭とほぼ同じ熱量があるということだし、保存が効くというのが貴重だ。野菜屑の出る量は季節変動があるので、温室での消費とのバランスをとるためには、貯蔵ができる特性は有り難いはず。重油のような価格変動も抑制できるだろう。ただ炭化過程で消費する加熱用エネルギーの占める比率が示されていないので何とも言えないが、価格が重油より低いレベルで安定してくれれば農家にとってのメリットは大きいはず。
温室管理などは静岡大ベンチャーの静岡アグリビジネス研究所が手がけて、この実験は同社が開発した糖度が高いトマトを栽培するという。実業として成立させるためには、野菜屑の集荷とその炭化を誰がやるかということと、そのコストだろう。畑は平地にあるから間伐材と違って集荷の問題は小さいかもしれないが、野菜屑の産出量と炭化量が、需要とどのようにバランスするか知りたいものだ。