効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

熱発電チューブ

パナソニックが「ゼーベック効果」を利用した低温領域の熱エネルギーを電気に変換する具体的なシステムの実証をNEDOプロジェクトとして開始する。京都市のごみ処理施設の温排水を利用して実証を推進。2018年度の事業化を目指すということだ。実証は京都市東北部クリーンセンターで行うが、ごみ焼却で発生した低温排熱の一部を温水にして熱発電チューブ内に流し込み、発電性能を検証する。チューブの温水接触面積だと思うが、1平方メートル当たり400ワット以上の発電効率の実現を目指す。現在は1ユニット(約0・3平方メートル相当)にチューブ3本を搭載し、出力は13ワット。これをチューブ10本のユニットとする計画で、14年度中に計3ユニット・400ワットに増強する。
温水の利用ということだから、沸騰する圧力が多少かかっているとしても摂氏150度は行かないだろう。この程度の温水であれば、いろいろなところで作り出すことができるはず。出力規模は温水量で決まるだろうから、冷却水との温度差も考えると温泉源や工場排熱でも使えるかもしれない。ゴミ処理の場合であっても、ゴミの種類を問わずに温度だけを利用するので、固定価格買取制度の対象にもできる。温度差発電を2種類の異なる金属・半導体を接合して、両端に温度差を生じさせると起電力が生じる「ゼーベック効果」を活用して行えるということが実プラントで証明されれば、金属のコスト次第では案外応用範囲はひろいかもしれない。スマステルル系の熱電変換材料をチューブ状に加工するのだから、説明図を見てももろい材料でなければ加工そのものには大きなコストはかからないように見える。ランキンサイクルエンジン発電との競争になるかも。