効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

地熱利用に向けたバイナリー発電

九州電力川崎重工業は、鹿児島県指宿市九州電力山川発電所(地熱、3万キロワット)構内で、250キロワットの小規模地熱バイナリー発電設備の実証試験を開始したと発表している。これはオーガニックランキンサイクル発電とも呼ばれる方式で、代替フロンのように沸点の低い媒体を密閉された回路で加熱・蒸発させ、その蒸気圧力でタービンを回すもの。実証に用いる設備には、川崎重工が工場排熱の有効利用などを目的に開発した「グリーンバイナリータービン」を採用しており、地熱への適用が可能になれば、地熱資源が賦存する離島などへの導入が期待できるとしている。
バイナリー発電は最近高い温度の温泉源を持つところで設置され始めている。発電規模は100キロワット前後だが、話題にはなるだろう。この電力を使って使用済みの温泉排湯から熱をヒートポンプで回収すれば、効率の高い暖房も可能になるはず。また、温泉場には川が流れているところが多いが、この川水を使ってヒートポンプ冷房をすることもできるだろう。もちろん小川の生態系を攪乱しないような配慮は必要ではあるが。
川重他のメーカーが開発しているバイナリータービンは、今後工場排熱の利用分野で拡大するだろうと期待している。工業炉を持つ中小企業では、排熱は殆ど利用されていない。これを使って発電ができれば、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の適用対象にもなるはずだから、収益性は確保できるのではないか。