効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ビール醸造残渣の処理

AP通信が報じたことだが、アラスカビール醸造会社は、太陽や風ではなく、商品であるビールを利用してグリーン電力を得るようになったという。このビール醸造会社では、これまでビールの絞りかすは、タンパク質が豊富であることから、酪農家に飼料として販売されていた。ところが、アラスカでは酪農家の数が少ないために、ビールの生産量が増えるにつれて、絞りかすが飼料としてははけないようになっていた。そこで、アラスカから酪農家の多い他の州に販売しようとしたが、重量の多くを占める水分を蒸発させるのにエネルギーが必要であり、また、そこから他州への道路が不備で、その輸送コストが大きすぎて採算に合わなかったのだ。このことから、この絞りかすを燃料に使えるボイラーを開発し、醸造工程でそこからの蒸気を利用するようにして、燃料コストを大幅に引き下げることに成功している。ビールで作ったビールとこの会社では言っているそうだ。
日本の場合ビール会社が絞りかすをどのように処理しているか知識がないが、特別なボイラーで対応しているとは聞いたことがない。飼料向けにも消費されているだろうが、含有するタンパク質の多さを利用して栄養剤などを作っているのではないかと推察している。一部では絞りかすを利用したガス化発電も行われているだろうが、これからは新しい固定価格買取制度(FIT)が適用されるから、コスト的にも引き合うものになることを考えれば、大幅拡充の準備が進んでいるのではないか。