効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

リサイクル

資源の節約、環境負荷の低減のためにリサイクルが有効だというのはよく分かる。しかし、リサイクルを事業規模で永続させるのには克服しなければならない問題が多い。
ペットボトルのリサイクルは事業として行われてきたが、一時そのポリエチレンを作る材料としての価格が上がったために中国が高値で買い取る時期があった。ゴミを収集した自治体からペットボトルを買い取っていたのだが、中国の方が高く買うためにそちらに流れてしまい、合成樹脂原料に加工するために必要なペットボトルが集まらなくなったのだ。また、いまは逆に、ペットボトルの原料樹脂価格が下がったために、この企業が処理したもののコストが高くなって売れなくなっていると聞く。どこかで市場価格と競争しなければならないリサイクル事業は利益が出せなくなる時があるということだ。
静岡の企業が、天かすを絞って油を取り、それからバイオディーゼル燃料(BDF)を製造し始めたという記事を見た。これも石油から作っているディーゼル油と価格競争しなければならないし、原料となる天かすを一定量確実に入手できるシステムを作っておかなければ操業を安定させることが難しい。店内で揚げ物を調理するスパーが増えたことで一定の量を入手できるようになっているようだ。天かす1トンで360キログラムのBDFが作れるという。このBDFは自治体などに、絞りかすも飼料として養鶏業者などに販売している。この場合もインプットとアウトプットを同じ位にコントロールしながら、石油製品と価格競争をしなければならない。
リサイクルには必ず流通コストやリスクが伴うことをよく理解していないと、事業性がなくなるから、何らかの補助策が必要となるだろう。どのような施策になるかが問題だが。