効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■超電導に画期的技術

電線を電気が流れるとき、電線の抵抗分によって発熱して送電損失が起きる。その損失をほぼゼロにできる技術に、極低温にすると抵抗がゼロになる電線があることは前から知っていた。ただ、その温度は、セ氏マイナス269度で、液体ヘリウムを電線周囲に流さなくてはならず、広く実用化には遠い存在だった。だが、マイナス196度でも超電導の状態にできる素材の開発が進み、液体窒素が利用できるようになった。設備コストは大きく下がることになり、通常の送電にも使える。

冷却剤を高価な液体ヘリウムから、1キログラム数百円と1割以下の液体窒素に切り替えられるようになった。超電導送電線の費用の相当部分を占める冷却コストが大きく減ったため実用化が近づいたと報じられている。

JR系の鉄道総合技術研究所(東京都国分寺市)は送電線を覆う形で液体窒素を流し、効率よく送電線を冷やす技術を開発。世界最長級で実用レベルの1.5キロメートルの送電線を宮崎県に設置して実証試験を始めたようだ。鉄道に必要な電圧1500ボルト、電流数百アンペアを流せる。送電線の製造は一部を三井金属エンジニアリングに委託した。鉄道総研に拠れば、通常の送電に比べて冷却コストはかさむが「送電線1本の距離を1キロメートル以上にできれば既存の送電設備を活用でき、送電ロスが減るメリットが費用を上回る」とのこと。複数の鉄道会社が採用に関心を示しているという。

日本エネルギー経済研究所によると国内では約4%の送電ロスが発生している。全国の鉄道会社が電車の運行に使う電力は年間約170億キロワット時。送電ロス4%は、単純計算で一般家庭約16万世帯分に相当する7億キロワット時程度になる。

海外の状況を見ると、中国では2021年11月、国有の送電会社である国家電網が上海市に1.2キロメートルの超電導送電線を設置した。ドイツでは経済エネルギー省主導で、ミュンヘン市の地下に12キロメートルの超電導送電線を敷設する「スーパーリンク」と呼ばれるプロジェクトが20年秋に始まっている。多分まだ液体ヘリウムを使っているのだろう。

日本で開発されたこの新技術、重要な輸出技術になる可能性がある。素材の送電線も日本開発の技術だからだ。JR東海が取り組むリニア中央新幹線超電導を使っており、開発を担ってきた鉄道総研の技術基盤が送電分野にも生かされている。

 

 

 

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