効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

データセンターの給電施設に燃料電池

データセンター事業を手掛けるさくらインターネット大阪市)は1月22日、NTTデータ先端技術(東京都中央区)と共同で実施しているデータセンターへの高圧直流(HVDC)給電システム実証施設の非常用発電装置として燃料電池を導入したと発表した。ここでの実証の主目的は高圧直流給電の採用によって電力消費をこれまでの交流給電よりも2割ほど上げようということだが、それに直流を発電する燃料電池の特性を利用したものだ。燃料電池発電効率自体が高いから、電力会社の発電設備より高効率で電力を発生できるし、排熱も空調や給湯などに利用できるかもしれない。ただ、非常用発電装置としてという言い方では、停電したときにバックアップとして新たに立ち上がるような感じがするが、多分そうではなく、常時稼動させて蓄電池と共同作業で非常時対応をしようというのだろう。いま家庭用に使われている燃料電池は、最初に発電された直流を交流に変換して電力会社の系統と接続させているが、その変換時に10%ほどは損失が発生する。燃料電池としては直流のまま使う方が効率は高いのだが、燃料電池太陽光発電が一般化してくれば、一般の建物にも直流が利用されるようになるだろう。
さくらインターネットが2011年11月に開所した石狩データセンターは、北海道の冷涼な気候を活用した外気冷房の採用により、従来型のデータセンターと比較して空調の消費電力を約9割削減しているそうだ。これも新しい試みで、グーグルなど多くのデータセンターを稼動させている事業者の間では推進されている方式だ。半導体回路が熱に強くなったこともこれを支えているはずだが、データセンターの電力消費の殆どが空調、冷却向けだということがこの数字から分かる。