NEDOが、タイ王国エネルギー省とタイアップして、バンコク市内のアマリ・ウォーターゲート・ホテルにおいて実施している民生ビルの省エネ実証事業の設備が完成し1月16日に竣工式を開催したと発表した。また同じくタイ王国とのプロジェクトで、タイ電力公社(EGAT)本館において実施している民生用水和物スラリー蓄熱空調システム実証事業の設備が完成し1月17日に竣工式を開催したとも発表している。タイをはじめとするアジアの途上国では、経済レベルが上がるにつれて電力消費が急激に上がるのがこれから問題となる。
前者のホテルでの実証試験は、既存の空調給湯設備を日本では普及が進んでいるヒートポンプ方式のものに置き換えたり、LED照明、BEMの適用などを行うことで、15%ほどのエネルギー消費削減効果を出すもののようだ。民生用水和物スラリー蓄熱空調システムは水蓄熱や氷蓄熱よりも蓄熱量とその利用が優れていて、日本でもまだ本格的な普及はしていないのだが、これからアジア諸国で採用される可能性のあるものだろう。ここでの実証データは日本にも反映できる。
また、この地域でのマイクログリッドの実証もやりやすいかもしれない。これから日本として展開したい技術システムの輸出にこれらは貢献するだろうと思う。