効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

グリーン電力トリアージ

トリアージという言葉をネットで調べてみると、人材・資源の制約の著しい災害医療において 、最善の救命効果を得るために、多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別し、治療の優先度を決定すること、ということのようだ。この考え方を医療施設のエネルギー消費に適用しようとしているのが、日本ユニシス東亜建設工業三井物産子会社の日本バイオマスエネルギーで、複数の拠点の電力需給をリアルタイムで一括管理できる「グリーン電力トリアージ」プロジェクトを日本医科大学で始めた。クラウド型BEMS(ビル・エネルギー・マネジメント・システム)サービスの活用により、災害などに伴う突然の電力需給逼迫時に重要施設が優先して電力を利用できるようにする。各施設に緊急度に優先順位を付けて、重要度の高いものへの電力供給を絶やさないよう、他の施設の電力消費を停めたり削減したりする。東日本大震災に伴う計画停電時には、多数の病院で医療活動の継続に懸念が生じたことがこのようなサービスを生み出したのだ。病院施設内で利用可能な設備や機器を4ランクに分け、電力需給の切迫時には必要性の高い設備・機器から優先順位をつけて電力を供給するとしている。同じことがホテルや高層ビル、あるいは行政機関の建物などにも適用可能のはずだ。日本の電力供給の不安定性が続くことを見越した新しいシステムだが、うまく実績を残せば海外へシステム輸出ができるかもしれない。マイクログリッドの概念も同じようなものだと思う。