効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

東電が調整電源を外部に求める

電力事業は、常に需要と供給が一致していなければならないものだが、これまでは、旧電力事業が柔軟に出力を上げ下げできる自社の設備を確保して需給調整を行ってきた。だが、電力自由化市場となって、電力供給事業者が新しく市場に参入し、さらには需要の増加、低減を管理するシステムが普及したことから、需給調整がビジネスとして新しく生まれた。このほど、東京電力パワーグリッドは、同社サービスエリアにおいて、周波数制御・需給バランス調整などに用いる調整力電源を確保するため、2019年度に活用する調整力電源等の募集を開始した。募集する電源は、離島を除く同社の系統に連系できる、中央給電指令所からのオンライン指令により出力調整可能な火力発電設備、水力発電設備、デマンドレスポンス事業者などだが、東電供給区域以外の場所にあるものは対象にはならない。その中に、電源に限らずネガワット等の需要抑制の中でも発動時間が数時間であるものや回数制限があるものも含む手段を対象としているのは、これからネガワットが取引対象として拡大することを示唆している。給電指令に応じて人為的に電力需要(ワット)を落とす規模に応じて対価を支払うもので、日本ではまだ成熟した市場には育っていなかったのが、今回の募集を機会に拡大するに違いない。それも一つの需要施設のものではなく、多数の施設の需要を連携させて制御する方式がこれから拡大するだろう。今後発送電分離が進展すれば、今回は除外されているが、従来の供給区域を越えた全国を対象とした需給調整事業も含まれるようになるだろうと思っている。
昨日関西を襲った台風21号が残した傷跡は、関西空港を始めとして、西日本だけにとどまらず、日本経済に大きなマイナスとなるだろう。
もう一つ気になることは、今回の強風でどれ位の太陽光パネルが破壊されたかということだ。いずれ何らかの情報が出るだろうが、今後の設置方式に影響を与えるものとなるに違いない。