効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

風力発電の動向など

米国が財政危機に陥るかどうかの瀬戸際で、民主、共和両党の妥協が成立して、これまで延長され続けてきた時限立法であった高額所得者減税の一部について延長がなされず増税になり、また、予算の大幅削減も2ヶ月延期ということになった。まだ予断は許されないが、世界が米国に巻き込まれて経済的な危機に陥るのは何とか回避できたということだろうか。日本の円安基調も続くのではないか。
これはこれとして、今年米国で設置される風力発電は旧年に比べて大幅に落ち込むだろう。これまで適用されてきた時限立法の税制優遇措置が12月末で失効することが確実になり、風力発電事業に収益性が出しにくくなるからだ。また、送電系統に風力を受け入れる余裕がなくなっているところも多くなっていて、それへの投資も不十分だということもある。中国の風力も系統制約から増加が止まるし、欧州でも同じ理由で全体設置量は増加しにくくなりそうだ。これからは太陽光発電の増加が顕著に見られるかもしれない。それには日本の設備増加も大きな比率を占めることになるだろう。
太陽の光が強く豊富な地域では、太陽熱による冷房の技術が促進されそうだというレポートもある。熱利用の吸収式冷房だが、勿論給湯にも利用できる。この分野で日本の技術が使われることはないのだろうか。事業化できれば、中東やアフリカ北部、中南米などに大きな需要が望めるはず。この方式による冷房が普及すれば、快晴で気温が上がるときに冷房が機能するため、電力需要抑制に大きな役割を果たすことになる。今年には、この新しい分野でも開発が具体化するのではないかと思う。