効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

北海道と太陽光発電

北国で太陽の照射角度が必ずしも太陽光発電に向いているとは考えていなかった北海道に、太陽光設置が急拡大しているという数字を知っていささか驚いている。再生可能エネルギー電力全量買取制度が今年7月にスタートして5カ月。北海道では、メガソーラー(大規模太陽光発電所)設備の申し込みは12月6日時点で35万キロワットにのぼり、全国101万キロワットのうち北海道が約34万キロワットと全体の34%を占めたと公表されている。今年度中にはまだ増加が見られるだろうが、その系統接続が課題として大きくなっているようだ。メガソーラーを系統に受け入れるのには、その発電電力を消費する場所との送電系統に余裕がなければならない。大きな都会の近くであれば、そこが消費するからあまり遠方に送る必要はない。しかし、北海道の場合、メガソーラーのように大面積を占める設備の設置が需要地に近いという条件を満たすケースは少ないのだろう。メガソーラーが各地に分散した場合には、ある程度の出力の平滑化が期待できるが現在のところ、北海道のメガソーラー計画は苫小牧や道東地区に集中しており、平滑化はさほど望めないというのも分からないではない。北海道電力の需要規模は冬季最大でも600万キロワット弱、春先や秋口などの軽負荷期には300万キロワット台にとどまる。そこへ5%〜10%の規模の発電装置が稼働して、その出力が天候によって変動するとすれば、それを補うだけの火力発電、それも起動停止、出力制御が容易なものがなければならない。北海道にはそれだけの設備体制がない。経産省でも、厳しく見積もる場合は40万〜60万キロワット程度が限界の可能性もあるとしている。日本で北海道はもっとも潜在力のある地域である風力発電についても同じことが言える。だが、この設置量を増やすために知恵をしぼることが喫緊の課題だ。これまでの電力事業者の常識を破る技術と政策のアイデアで系統の運用能力を増やすことはできないだろうか。諦めてほしくない。